2020年2月4日「保育園の想いで~そしてそれは次に繋がる」

一昨日の日曜日は保育ドリームプランプレゼンテーション、通称ドリプラに参加させていただきました。
保育士さんや保育に関わる人たちが、自分の体験から生まれた夢のプランを10分間でプレゼンテーションする会なんですよね。

もともと、僕の3人の志匠のひとり、福島正伸さんと言う宇宙人が、大人が本気で自分の夢を語り、それを聞いている人たちがその夢に感動・共感して、一緒にその夢を実現したいって言う会を本気で創るんだって言って作られたものなんですよね。

志匠から初めて聞いた時にはびっくりでした。
だって、見ず知らずの人が自分の夢を諦められない理由と共に、その夢がかなったらどんな感じなのかをプレゼンテーションによって疑似体験して、それをお金を払って自分の時間を使って聞きに来てるお客さんが、感動の涙を流して、ぜひその夢を一緒にかなえさせて欲しいって言うプレゼン大会。しかもそのプレゼンテーションの中では説明と説得はしてはいけないってルールなんだと……。

正直、アホかって思ってました(笑)誰がそんなのお金を払って聞くんだよと……。(志匠、すんません)

でも、さすが志匠です。それを僕らに話してくれたその翌年、墨田リバーサイドホールを満員にして、最幸のプレゼンテーションで、コメンテーターで参加させてもらっている僕はコメントも出来ずに、マイクを持ってただただ、涙を流して、「僕らは生き急いでいたのかも知れないです」とコメントするのが精いっぱい……。

見ず知らずの普通の人たちが、本気で叶えたい夢を語るその姿に人は心を動かされるんですよね。
そんな世界大会を10年間続けてきて、今では日本中、世界中でドリプラが開催されているんです。

実は今年も、ウーマンドリプラと言って、女性が自分の夢を語るドリプラが、オーストラリアであるんですよね~。ほんとに凄いです。過去には今度ブログでも書きますが、ウガンダで元少年少女兵だった子供達が、自分の夢を語っています。

やっぱり志匠は宇宙人です(笑)

そんなドリプラで、一昨日は保育の業界を元気にする為に、保育ドリプラが開催されました。
もともと保育士さんが、ストレスで元気がなくなってしまう保育士さんを、マッサージなんかを通して元気にしたいんですって夢だったり、保育士としてやっていて、実のお姉ちゃんが自ら命を絶ってしまい、もっとちんたらしてもいいんじゃないかって、ちんたら村をやろうっていう人だったり、この春から保育士になる学生の子が、こんな保育士になりたいですって夢だったり、自分は子供が好きだったはずが、イヤイヤ期が始まって恐怖と暴力で自分の子供をしつけようした体験から、同じように悩んでいる親の味方になるんだと、YouTubeチャンネルを作って自らの失敗談から学んだことを提供していきたいって事だったり、ほんとに一つ一つの夢が叶ったら、日本の子供達が今以上に幸せになるんじゃないかって思って、目頭を押さえていました。

そんなことを聞いていたら、自分の体験した保育園での出来事を思い出しました。

僕の所は親父が職人で工場をやっていました。
おふくろもボタン工場のパートから、給食のおばちゃんになり、僕は2歳(当時は2歳からしか預かってもらえなかったらしいです)から、卒園の6歳までを保育園で育ちました。

当時は朝起きて眠い目をこすりながら支度をしてご飯を食べて、母ちゃんが漕ぐママチャリの後ろに乗って登園。夏も冬も一年中、雨でも晴でも、母ちゃんは汗だくになりながら、ママチャリをバリ漕ぎして俺のことを保育園に届けてくれて、それでも母ちゃんと別れる朝は、毎日母ちゃんの後を追って、保育園の柵越しに、冷たい鉄の柵を力いっぱい握りながら「母ちゃん~行かないで~」って、泣き叫んでいてました。

今思うと、母ちゃんも俺の「母ちゃん~」って泣き声を背中に受けながら、仕事に行くのは身を引き裂かれる想いだったんだと今、親にさせてもらって痛いほどわかります。

そんな朝の儀式が終わると、先生が来て
「たぁちゃん、そろそろ教室にはいろうか」
って、俺を抱きしめてくれて、涙を拭きながら教室に入っていく毎日でした。

だから、俺にとっては保育園の先生は、お母さんでした。

朝はそんな感じで後を追うんですが、それでもダメだと気付くと、気持ちが切り替わったように、教室に入って友達と遊んだりしてました。

小さいころからヤンチャだったので、先生からそんな事したらダメだと言われれば、それはもっとやれって事かなって事で、全然先生の言う事を聞かずに、保育園から脱走したり、お友達が一所懸命につくった積み木を、ゴジラ~とか言って壊してまわったり、お友達のみーちゃんが、床屋さんごっこしようと言うので、はさみでミーちゃんの長い髪をザクザク切ってあげて、保育園中大騒ぎ……。

決まって言う事が聞けない俺は、
「貴信は、何度言っても、3歩あるくと忘れちゃうから、ニワトリと一緒。
だからニワトリの三吉の小屋に入ってなさい」
って、ニワトリ小屋に閉じ込められました(まぁ当時はそんな時代)

でもね~、この三吉が怖くて……。
小屋に入って来た人に向かって飛んでくるんですよね。
しかも、羽をばたつかせて、俺の顔めがけて飛んでくるんですよ。もう、それが怖くて怖くて……「ごめんなさい~もうしないから~」ってやってました(笑)

そんなヤンチャなガキでしたが、保育園の中でいつも嬉しいかったのは誕生日会。
クラスの中で月に一度その月に誕生日を迎えるお友達のお誕生日会をしてくれるんです。
貧乏だったから、そこで小さいけどケーキをもらって、お給食の時にみんなが祝ってくれて、一人っ子だった自分にとっては、大勢のお友達や先生たちから、「おめでとう」って言ってもらえるのが、凄く嬉しかったのを覚えています。

そこで、担任の先生からお誕生日カードがもらえるんだけど、そのカードは俺は6月だから、アジサイの花だったり、でんでんむしだったり、先生が色紙を使って作ってくれるんですよね~。そしてカードを開くと、そこには写真が貼ってあって、その隣には、絵の具を手や足につけてペタってした、当時の手形や足型があるんです。そして、先生からのメッセージ。

当時はそのカードが嬉しくて、家に帰った後も、毎年もらったカードを並べて、手が大きくなったとか、足が大きくなったとか、自分でその手形足型に手や足を重ねて、大きくなったことが嬉しかったのを覚えています。

そこから数十年たって、自分にも子供ができ、まだ上2人が幼稚園だったころかなぁ。
実家に行くと、婆ちゃんの部屋で子供達が騒いでました。

「うぁ、父ちゃん手がでかっ」
「あぁほんとだ。全然おおきい」

何をしてるのかと思ったら、当時自分が保育園で先生たちからもらった誕生日カードをおふくろが取っていてくれて、古いアルバムの中からそれを引っ張り出して、僕の子供達が手形足型に自分の手と足を楽しそうにキャッキャしながら重ねてるんです。

カードはそうとう昔にもらったし、その後も誕生日のたびに引っ張り出してたから、もうボロボロ……。
それでも当時の自分の歳と子供達が自分の歳とを比べて、遊んでいたんです。
なんかその光景を見ていて、心が温かくなりました。

特に僕の時代は、第二次ベビーブームで子供の数が半端なく多かった時代。
クラスの人数も今とは比較にならないくらい、たくさんの子供達がいましたから、誕生日だって1クラス40人居れば40回あるわけで、俺のカードだけでも凄く凝った作りなわけです。さらに言えば今みたいにデジカメでは無いから、写真を一人ひとり撮って、現像に出して誕生日会までに準備して、その子の手型足型をペタっとやって、メッセージを書いてって……。

毎日子供達と朝から晩まで一緒に居る保育士さんのがお仕事です。
考えてみると作業をするのはお昼寝の数時間……。
きっと残業したりして創ってくれたんだろうなって、ボロボロになった誕生日カードから透けて見えてきました。

今は大人になって保育士さんのお給料事情も知っています。
親御さんが保育園に求めるものも大きくなっています。
季節によって、ただ子供を預かるだけではなく、保育園の様々なイベントがある中で創ってくれたカードです。
それは今も昔も変わらないし、その中で一人ひとりに向き合いやってくれた保育士さんのお仕事はまさしく、天使のお志事なんじゃないかなって思いました。

やっぱり人の心を動かす感動は、お金をかけることではなくて、手間をかける事なんじゃないかって思いました。

ちなみに、5歳の誕生日を迎えた僕のカードには、先生からの切実なメッセージが書いてありました。

『ターちゃん
おたんじょうび おめでとう

せんせいは 知ってるよ。
ターちゃんはほんとはすごくやさしいんだよね。

でも、ときどき、そのやさしいハートと
あたまと
てと
あしが、バラバラになっちゃうこともあるんだよね。

ほんとはやさしいターちゃんだもんね。
これからもやさしいターちゃんがだいすきです。』

……(笑)

保育園の先生たちが、僕のやさしい心を創ってくれました。
3つごの魂100までもって言いますが、保育士さんが創ってくれたそのカードを今では僕の子供達が見て喜んでくれています。ほんとにありがとうございま~す。

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