ちょっと前に、銀行の行員さん向けに講演の出番を頂きました。
担当者の方から、現在の銀行は、サービス業としてお客様に向き合い、お客様から選ばれる銀行にならないといけないんですよねって話を聞きました。
確かに金融ではあるけど、他にも銀行もあるし、もっと言ったら今後電子マネーの世の中になれば、ネット上でのお金の動きになって銀行の役割はほかのものに変わってしまいますもんね。だからこれからも銀行を必要としてもらえる為に、お客様との関係を密にしていきたいと言う事で出番をもらいました。
銀行のサービスで言えば、金利が上がるのが一番いいんでしょうけど、今の世の中でお金を預けてても増えることもなく、銀行としては苦しい状況ですもんね。
って事で、いろいろと考えました。
銀行や信用金庫などが、自分の街にある意味はなんだろう。
そして、その金融機関があるからこそ、街が人が元気になることってあるのかな……。
見つけちゃいました。
そうなんですよね~。
実は昔、子供達と道を歩いていた時に、コンビニでたばことお菓子を買って出てきました。
僕の後ろでは、買ってもらったお菓子を子供達同士で、これは俺のって奪い合い……(笑)
そしてもらったレシートをポケットにしまったその後でした。
当時まだ小さかった長男が、僕に駆け寄ってきました。
「父ちゃん、父ちゃんって‼」
「うん(ふり返り)、何?」
「今父ちゃんゴミを道端に捨てたでしょう」
「はっ、捨ててねぇよ」
「だって、ほら」
長男虎之介の手にはさっき僕がポケットに入れたと思ったコンビニのレシートが。
「あれ、それさっき父ちゃんがポケットにしまったんだけどね。
あぁ、じゃあ落ちたんだよな、きっと」
「そんなこと言って、ほんとはポケットに入れるふりして、ポイ捨てしたんじゃないの~」
「してねぇ~し、たまたま落ちたんよ」
「ほんと~(笑)」
息子に疑われるって……(-_-;)
でも、ちょっと不思議なことに気づいたんですね。
僕はこれまでゴミを道端にポイ捨てしてはいけないんだよって事を言い聞かせたことがないのに、なんで息子がポイ捨てはいけないことだと言う事を知ってて、ゴミを落とした親の僕に言ってきたのか。
きっと学校などで教わってはいるのかもしれません。
それでも息子が僕に言ってくるって事があるのかなと……。
そして翌日、朝移動の為に昨日僕がポイ捨て(してないんだけど)した場所を歩いていました。
すると、そこは自宅近くの信用金庫の前でした。
冬の寒い朝でしたが、スーツ姿の人たちが、軍手にゴミ袋を持って、信用金庫前の道や車道の脇、そして植え込みの中にあるゴミを拾ってくれていました。
考えてみると、そこの道は大通りに面していて、毎朝、晴れてようが雨だろうがゴミ拾いをしている信用金庫の人たちが居ました。そしてそこは小学校に通う子供達が通る通学路だったんですね。
やっと謎が解けました。
どうして、僕の息子がポイ捨てはダメだよって教えてないのにゴミを捨てないのか、そしてゴミを捨てた僕の所に凄い剣幕で迫ってきたのか。
そうだったんですね。
毎朝、学校に通う中で、あの場所を通りゴミを拾っている大人の人たちの後ろ姿を見ていたからなんです。
口でゴミのポイ捨てはダメだよって教えてもそれは口先の事です。毎日ゴミ拾いをしているその大人の後ろ姿やあり方が、ここにゴミを捨てないでって言う子供達に影響を与えているんですよね。
お客様に対するサービスも大切ですが、この信用金庫の人たちのように、毎朝ゴミを拾うその姿はきっと誰かがみていて、その見ている誰かに影響を与えます。だからこそ意味のない事なんてないんですよね。
それから僕は朝、その信用金庫の前を通るときに、ゴミ拾いをしてくださる皆さんに、感謝を込めておはようございますって挨拶をするようになりました。
僕らの大人の在り方が、子供達に影響を与えてますね(^^♪