大阪にある道頓堀ホテル。ご存知の方もおられると思います。連日海外からの観光客のお客様でいっぱいのホテルですが、その昔はなかなかお客様が集まらず、経営難に陥るようなホテルだったそうです。
どうしたら良いのかを考えて行く中で、開業した1970年、アジア初・日本初の「万国博覧会」大阪に世界中から観光客が集まった時の原点に立ち返りました。
これから日本を訪れる海外のお客様に、日本式のおもてなしをして、日本と海外の架け橋になるようなホテルにしようと考えたのです。
そして社員みんなで考えました。「日本のことをもっと知っていただいて、たくさんの体験や、楽しい思い出を通して、日本のことを好きになっていただけたら嬉しい」そんな思いを込めて、手作りでイベントを日替わりで行っているんですね。
例えば、スタッフが着付けをしてあげる着物体験や、日本の食文化を体験してもらう、たこ焼き、たい焼き、お好み焼き、クレープ、おでん、焼き鳥等々を食べて頂いたり、縁日の輪投げや射的だったり。
手作りですが、とても温かいイベントで、体験した外国人旅行者の方々は喜んで、また来たいと口コミが広がり、今では多くの海外からのお客様でいっぱいになったのです。
そんな温かいホテルの空気を作っているのが、働いてるホテルの従業員です。
どのスタッフもみんな明るく温かいのには理由があるです。それは、社長が掲げる大家族主義の経営なのですよね。
社長は社員一人ひとりを自分の子供として迎え入れるんです。だから本当に心を込めて接しています。
その中でびっくりする取り組みはたくさんあるのですが、僕が共感したのは、内定者の家庭訪問でした。
それまで大切に育てられたお子さんを預かるわけだから、内定を出した責任として、実際の親御さんと会ってお話し、社長の自分がどんな人間を理解してもらって、お子さんを預からせて欲しいと、承諾をいただきに行くんだそうです。
しかもそれは全員。
道頓堀ホテルは、日本と海外の架け橋になることを見ざしています。当然、従業員の中には外国人の方もいるわけです。
そして最近では、内定者4人に対して、日本人は1人だったそうですから、内定者の家庭訪問も、それぞれの国に行かなければ実現できないわけですが、社長は決めたことだからどこへでも行くそうです。
そんな中で採用し内定者となったのはチベット方だそうです。チベットと言われても検討も付かなかったのですが、全員行くと決めたのだからと、チベットの方が生まれ育った村まで行ったんだそうです。
ホントに遠かったそうですが、行って良かったと。現地に行くと、ご両親だけではなく、村をあげて猛烈に歓迎してくれたそうです。
遠く日本と言う国で頑張っている我が子が就職を決めた事だけでも嬉しいのに、その会社の社長さんがわざわざ来てくれるなんてと、村中が大騒ぎになったんだそうです。
お子さんを預からせてもらいます、今まで大切に育てて頂いたお子さんを、今度は私が大切に育て幸せにしますとお約束したそうです。
どうですか?
素敵な社長と会社じゃないですかね〜‼